これからのマンションに必要なこと。老朽化・高齢化対策と法改正

query_builder 2025/06/30
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近年、国内マンション総数は約704万戸に達し、そのうち築40年以上の物件は約137万戸に上ります。


しかも10年後には約274万戸、20年後には約464万戸に増加する見込みです。

加えて、築40年超のマンションでは世帯主のうち70歳以上が約55%にもなり、「建物の老朽化」と「住民の高齢化」という“2つの老い”が同時に進行しています。

この状況は、外壁の剥落事故リスクやエレベーター故障への備えなど安全面での不安を生むだけでなく、管理組合の意思決定プロセスにも支障をきたし、「修繕・建て替え・再生」といったプロジェクトが遅延しやすい構造にもつながっています。


そこで政府は、マンションのライフサイクル全体を見通したうえで管理と再生を円滑化する必要性を認識しました。

2025年3月4日、区分所有法およびマンション管理適正化法の改正案が閣議決定されました。

そこで今回は改正内容のポイントと背景を詳しく見ていきましょう。


マンション関連法・改正ポイント5選

1. リノベーションや建替え等の多数決決議 一棟リノベーション・取り壊し・敷地ごとの売却について、従来は全員同意が必要でしたが、改正後は区分所有者(議決権)の4/5以上の賛成で可能になります。


2. 耐震・危険建物の再生決議条件緩和 耐震基準に満たない物件や外壁剥落など危険状態のマンションでは、3/4以上の賛成で再生措置が可とされ、さらに高度利用を進める際には容積率・高さ制限の緩和も可能になります。


3. 行方不明所有者の議決無効化措置 所在不明者については、裁判所の認定があれば、議決要件の分母から除外できる制度が導入され、意思決定の滞りを防ぎます。


4. 自治体の関与強化と助言・命令権限 自治体が外壁剥落など危険な状態を把握されたマンションに対して、報告徴収・助言・指導・勧告・公表・立入検査等を行う権限が強化されました。


5. 管理適正化支援法人制度の創設 民間企業やNPOが、国・自治体登録団体として「マンション管理適正化支援法人」に登録され、管理組合への助言・支援が法的裏付けをもって可能になります。


なぜ今、改正が必要なのか?

この法改正の最も大きな目的は、マンションの「ライフサイクル(新築 → 修繕 → 再生)」を通して、安全かつ適切に維持し続けることです。


築古・高齢住民が多数となるマンションでは、管理組合の意思決定が進まず、結果として修繕のタイミングを逸し、問題が深刻化しがちです 。

つまり、何もしなければ老朽化マンションが管理不全に陥り、“空きマンション化”する可能性もあるのです。


そこで緩和された議決要件や支援制度によって、建て替え・再生を含めた次のフェーズへと進む促進策が求められています 。


支援法人制度に期待する効果

支援法人制度に期待する効果 今回最大の注目ポイントの一つは、管理適正化支援法人制度。


これにより、専門知見を持つ第三者(NPO・企業等)がきちんとした立場で関与でき、管理組合の負担軽減や意思決定の支援が受けやすくなります。


これまでは個人契約の管理士や弁護士などが関与するケースもありましたが、新制度によって公平性・透明性が強化され、登録プロの関与による安心感も増すはずです 。


注意点と今後の課題

法改正は決議要件緩和にはなるが“同意”は別:リノベーションや売却などは多数決でも可能になりますが、実際に全員が協力するには根回しや交渉が必要です。

合意形成には時間と工夫が求められます。 被災時の特別措置(被災区分所有法)も合わせて改正:災害時には2/3以上の賛成で迅速な措置が可能に。

自治体・支援団体の動きがカギ:いかに登録支援法人や自治体が連携し、現場で機能を果たすかが今後の成否を左右します。


まとめ

マンションの“2つの老い”に直面する今、法改正は必要不可欠な一歩です。

2026年4月(区分所有法)と2025年末(適正化法)から適用が始まります。


管理組合の皆様は今のうちに、改正点を押さえたうえで、自治体や支援法人と連携した備えを進めることをおすすめします。


本記事が、築古マンションを巡るリノベーション・再生・安全確保などの取り組みに役立てば幸いです。

読者の皆様のマンションライフへの理解と実践に、少しでも貢献できれば嬉しいです。


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